ぽぷの備忘録的ブログ

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『ラーヤと龍の王国』が推されなかった理由を考える

どうも、ぽぷです。

 

 

 

先に言っておきます。今回はジャニーズの話ではありません。しかもオタクのブログではなく割と真面目な話(をする予定)です。そして根拠がどこにあるのかと問われると3日時間をもらう程度の根拠で書いていきます。

 

それでも後半では布教し始める(予定)ですので読んでくれると嬉しいです。

 

 

 

 

6月7日からDisney+で『ラーヤと龍の王国』(以下ラーヤ)が追加料金なしで見られるようになりましたね。

 

 

散々公開が延期されプレミアアクセス対象作品となったわけですが、私は映画館に見に行きました。やはり最近のディズニー映画は映画館の大きなスクリーンと音響で楽しむべきだと思うのですが、類にも漏れずラーヤも最高でした。特に水の表現がとても綺麗で、本当の水に見えたくらいです。

 

 

しかしこの映画、ディズニープリンセスの新たな作品としては流行らなかった。そもそもの認知度がとても低く、その結果映画館での公開日数も短くなって知らない間に公開期間が終わってました。ディズニープリンセス作品の割にはあまりにも推されなさすぎている。

 

 

確かにプリンセス作品とは言っておきながらドレスを靡かせながら踊ったり、カッコいい王子様と恋に落ちたりなんていう描写は一切無い。むしろ歴代のプリンセスの中でラーヤは群を抜いて強すぎる。ただこれは最近のプリンセス作品にはありがちで、女性の強さというのを示したい方向性なのかなとは感じます。もちろんラブロマンスの要素に変わる新たな魅力を付け足しているのでストーリー的にも面白い。

 

 

何故こんなに推されなかったのか。日本で推されないということは、そもそもアメリカで推されていないということになります。今までの作品で、日本でアメリカよりもやたら宣伝に力を入れたものは無いので。というわけで何故アメリカでラーヤが推されなかったのか、それを超独断と偏見で探っていきたいと思います。

 

 

 

①舞台に馴染みが無い、興味が無い

ラーヤの舞台はインドネシア辺りだと考えられます。音楽や描かれている街の様子、衣装などもインドネシア、バリ島の雰囲気を感じられる要素が多いです。そしてインドネシアをはじめとする東南アジアにアメリカ人を含めた西洋人は興味が無い。以前スペインに留学した時に自分が過去に旅行した国をプレゼンする機会があったのですが、私がベトナムの紹介を始めたときにベトナムを知っていたのは日本人と中国人とスペイン人の先生だけで、アメリカ人やヨーロッパ人の学生は「聞いたことある気がする…けどどこにあるの?」状態でした。そもそも東南アジアの国々がどこにあるのかも分からないのに、インドネシアの文化や自然を知ってるはずがありません。ラーヤの監督はアメリカ人の方でしたが、かなり細かく東南アジアの文化を調べて取り入れていました。ただ映画を作るにあたっては調べるでしょうが、それを見る側のアメリカ人が全て理解できるわけではありません。まず舞台となった東南アジアに馴染みが無かったことがとっつきづらさを生み出した一つの原因では無いでしょうか。

 

 

 

②龍=神聖な神、というイメージが無い

劇中で重要な役割を果たすのが龍の神であるシスーです。このシスーは水を操れる神で、水と龍が神聖なものである、という前提で登場します。水と龍が神聖なものである、という発想は東南アジアに限らず中国や日本でも同じです。日本の各地に海や川などの近くに弁財天や金毘羅宮があり、古くから日本の地底には龍が住んでいて地上の出来事を司っていた、というような伝承は日本各地に残っています。よってこの水と龍が神聖なものである、という発想はアジア人である私たちには理解しやすいものです。しかし西洋では全く異なります。特に龍=ドラゴンに関しては、日本と同じく地下に棲んでいるものの圧倒的な悪というイメージが強く、これまでの王たちは地下に棲む龍を退治することで地上の世界を統一できると考えられていました。聖ジョージ、または聖ゲオルギウスという聖人はルネサンス期などに頻繁に絵画に描かれましたが、必ず黒い龍を退治しています。またこれまでのディズニー作品でもドラゴン=悪というイメージが顕著に表れていて、一番有名なのはマレフィセントがドラゴンに変身しフィリップを襲うシーンでは無いでしょうか。このように西洋において龍は悪の象徴であり、退治するべき存在です。それが神聖な神の使いとして描かれていることが違和感を生んでいる可能性があると思います。

 

 

これ以外にも冒頭で述べた通りプリンセス作品の割にはドレスや王子様が登場しなかったり(そもそもラーヤと同じ年代の男性のキャラクターがいない)、今までの作品のようにキャラクターが歌を歌うシーンがないことも違いとして挙げられます。ミュージカル作品の類ではなく、むしろアクション映画。

 

 

 

全編リモートで作られたらしい今作、やっぱりそんなに力を入れなかったのかなあ。そしてこのようにアメリカで力を入れて宣伝されなかったラーヤは、日本の吹き替えにおいても力が入ることはありませんでした。

 

近年のディズニー作品の吹き替えは、主人公をはじめとした主要キャラクターにゲスト声優という形で有名な俳優さんや女優さんが起用されます。特に近年多い『美女と野獣』『アラジン』などの実写作品ではとんでもない数の俳優さんや女優さんが声優を務めています。特に歌手活動をしていなくてもミュージカル作品の主演に抜擢、なんてこともよくありますね。

 

しかしラーヤでは主人公のラーヤのみ吉川愛さんという女優さんで、残りのライバルや仲間たちなどは全て本職の声優さんが務めています。吉川さんの吹き替えは等身大の女の子像が表現されていてとても良かったのですが、あとはガチガチに本物の声優さんです。近年の声優ブーム(勝手に感じてる)でよくメディア露出している方ならまだしも、完成披露だったり大ヒット御礼だったりのイベントやメディアの取材などには大体声優さんは登場しません。そこで視覚的にも宣伝する要素が少なかったため、ディズニー作品の割にはあまり宣伝が印象に残らないという事態が発生したのではないかと考えます。

 

 

 

これらの理由からラーヤが推されなかったのではないかと推測しているわけですが、この作品、アメリカ人にハマらなくても日本人には大いにハマる作品だと思います。

 

 

何故ならロールプレイングゲームのような話の展開の仕方だから。映画館で見ていた時に前の方の席で中学生くらいの男の子たちが見ていたのですが、見終わった後にそのうちの1人が「モンハンみたいだった」と言っていました。まあここに当てはまるのはRPGなら何でもいいわけですが、とにかく日本人好みの展開なのです。ラーヤがシスーの力を借りて、バラバラになってしまった水晶を復活させる…という展開なのですが、それぞれの国で敵が登場し、ラーヤとシスーが力を合わせて戦い、そして仲間に引き入れます。1人ずつ仲間が増えていくパターンのRPGです。アクション映画でありつつもゲーム的な展開を迎えるので割と見やすいのではないかと思います。

 

 

 

これに加え東南アジアの雄大な自然と信仰、見応えあるアクションシーンなど多々ある訳ですが、とにかく宣伝されなかった=面白くないではないことを知って欲しいのです。

 

 

みんな見てくれ。最高だから。

 

 

 

 

ちなみに私は同時上映の『あの頃をもう一度』も激プッシュしてます。思わず踊り出したくなるような軽快なサウンドが魅力なので是非見てね。私はこれをトラジャにワンカットで踊って欲しいです。(突然の願望)

 

 

それでは、また。